2023.03.10 プレスリリース

2022年度浜の活力再生プラン優良事例表彰、農林水産大臣賞など決定

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2022年度(令和4年度)浜の活力再生プラン優良事例表彰各賞が決定

JF全漁連と水産庁は3月10日、「2022年度(令和4年度)浜の活力再生プラン優良事例表彰」の、農林水産大臣賞など各賞を決定しました。本表彰は、浜ごとの特性を生かし漁業者が中心となって地域の漁業所得向上を目指す「浜の活力再生プラン(浜プラン)」の優れた取り組みを表彰するものです。2017年度から実施しており、本年度は6回目となります。

農林水産大臣賞は「田尻地区地域水産業再生委員会」

農林水産大臣賞に選ばれたのは、「田尻地区地域水産業再生委員会」です。当再生委員会は、今注目されている「海業」という観点から、都市近郊という立地を活かしながら漁業を軸に観光産業と連携しており、周辺産業とともに地域を活性化させるという活発な取り組みが評価され、最優秀賞に選定されました。

各賞の受賞団体と選定理由は以下のとおりです。取り組みの詳細は本ページの最後に添付した「2022年度浜の活力再生プラン優良事例表彰事例集」をご覧ください。

受賞団体(都道府県)主な取組内容主な選定理由
農林水産大臣賞田尻地区地域水産業再生委員会(大阪府)・日曜朝市の拡大・強化
・漁業体験事業の強化
・海鮮BBQ事業の強化
・海上釣堀事業の拡大・活用
海業の観点から、漁業をベースに周辺産業と連携しながら地域を活性化させるという漁業の将来のあり方を示唆するモデル的事例として高く評価。
水産庁長官賞         宮城県沖合底びき網漁業再生委員会・魚市場・買受人への漁獲情報の提供
・各魚市場で定める高度衛生型管理の運用ルールの遵守・徹底による漁獲物の高度衛生化
・福島県沖合海域での操業再開及びグループによる輪番操業の実施
漁業だけでなく水産加工業者が、県を跨って連携できている。コロナ禍においても効率化を図っている点を高く評価。
水産庁長官賞伊曽島地域水産業再生委員会(三重県)・黒のり(スサビノリ)養殖の生産性と付加価値向上の取り組み
・アサクサノリ養殖の推進
・青のり養殖の導入の推進
・黒バラノリ加工
ノリ養殖業と漁業者と研究機関と水産行政が連携することでノリのブランド化など様々な取り組みを行い、浜の活力を感じられた点を高く評価。
全国漁業協同組合連合会会長賞太地町地域水産業再生委員会(和歌山県)・鯨類の加工品開発による高付加価値化の推進
・道の駅たいじ、森浦湾くじらの海、渚泊成果を活用した体験交流や観光振興。
・小型鯨類の更なる単価向上
・新たな観光ルート、メニューの開発による交流人口の増加
鯨をはじめとする水産物を地域資源として利用し、観光体験や博物館、文化など様々な取り組みに繋げている。行政や観光客を取り込む事例として高く評価。
全国漁業協同組合連合会会長賞 五島地区地域水産業再生委員会(長崎県)・漁獲物の品質向上と未利用魚の活用
・台風や爆弾低気圧時の異常潮流による漁具被害への対策
・資源管理活動
・人手不足への対応
定置網での急潮対策や労働環境整備など総合的な取り組みをしており、漁業者主体で魚価が向上しているなど着実な実績を評価。
農林中央金庫
理事長賞
津久見地区地域水産業再生委員会
(大分県)
・漁業者による有害動植物の除去等の「磯焼け」対策
・「かぼすブリ」及び「かぼすヒラメ」の品質向上
・魚料理教室開催による伝統郷土料理の継承及び地場漁獲物の消費拡大の推進
・藻場造成
磯焼け対策として高校生と連携しブダイの活用に取り組み、地場水産物の消費拡大を推進しており、周辺産業への波及効果を評価。
全国共済水産業協同組合連合会会長賞鳥取県中部地域水産業再生委員会(鳥取県)・海女の店の拡大
・アワビ・サザエの資源管理
・イワガキ陸上保管手法の見直し
・未利用海藻の掘り起こし
・港内養殖生産の拡大
伝統の海女の復活など女性の新規就業者に関する取り組みで、女性の漁業者が参入することで地域全体の活性化を図っている点を評価。
全国漁業共済組合連合会会長賞伊江地域水産業再生委員会(沖縄県)・スジアオノリ等陸上養殖の推進
・養殖モズクを利用した加工品開発
・浮魚礁の新設による漁場環境の整備
・鮮度保持施設(ナノバブル)の整備と鮮度向上の取り組み
漁業所得の安定的な実績を評価するとともに、陸上養殖など先進的な取り組みへの挑戦が今後の漁業所得向上へ繋がることを期待され、評価。

■「浜の活力再生プラン(浜プラン)」とは
2014年に始まった、水産業の活性化のための改革の取り組みです。地域によってさまざまに異なる水産業・漁業を振興させることを目指して、それぞれの漁村や地域(=「浜」)の現状に合わせて考えられた取り組み計画を「浜プラン」と呼びます。その大目標は、「漁業所得の10%アップ」。収入の向上やコスト削減の取り組みなど、多種多様で具体的なプランが実践されています。
▶浜プランWEBサイト「浜プラン.jp」:https://hama-p.jp 

■「地域水産業再生委員会」とは
漁業者や漁業協同組合、市町村などが構成員となり、「浜プラン」に取り組む組織です。

■「浜の活力再生プラン優良事例表彰」について
「浜プラン」の実践により優れた実績を上げた「地域水産業再生委員会」を表彰し、全国にその取り組みの内容を発信することで、優良な事例の横展開を図っています。2017年度から本年度まで全6回実施しており、これまでに多くの優れた取り組みを発掘・発信してきました。なお、本来であれば受賞者を参集し表彰式を開催するところ、2019年度からは新型コロナウイルス感染症対策のため、プレスリリースやウェブサイトへの掲載により受賞団体の発表を行っております。

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