2024.01.01 プレスリリース

JF全漁連会長 「新年のご挨拶」

「新年のご挨拶」

 あけましておめでとうございます。年頭にあたり、全国の皆さまに謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 近年、社会・経済情勢の世界的な不安定化が続き、我が国の漁業・漁村を取り巻く環境においても、燃油・資材価格の高騰や海洋環境の変化等に伴う不漁、頻発する自然災害など、大変厳しい状況が続いております。
 本会は昨年、これらの諸課題に対応するため、JFグループの先頭に立って、対策の確立などを関係要路に強く要請し、最終的には要望事項を網羅するかたちで、6年連続で3,000億円を超える予算を確保することができました。ここに、改めてご協力いただきました会員および関係者の皆さまに御礼申し上げます。
 また、昨年は東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水について、我々が今まで求めてきた「海洋放出反対」の声は聞き入れられず、8月24日から政府主導で海洋放出が開始されました。さらに、海洋放出に端を発した中国等の過剰な輸入規制などもあり、全国の漁業関係者は日々、不安を抱えています。
 漁業者が強く望んでいるのは、安心して漁業を継続することです。そのためにも、国には「漁業者に寄り添い、必要な対策を取り続けることを今後数十年にわたろうとも、全責任を持って対応する」という岸田文雄内閣総理大臣の約束を確実に履行し、漁業者をしっかり支えていただきたい。一方、我々も引き続き状況を注視していくとともに、「水産業を守る」政策パッケージを活用しながら、漁業者が安心して操業できるような環境づくりに努めて参ります。
 また、中国などの輸入規制に対しては早期撤廃の実現が極めて重要な課題と認識しており、JFグループとして、漁業の成長、発展、食料自給率の向上のために国民を巻き込んだ国を挙げての魚食拡大を進めていきたいと考えております。
 私は常々、「日本の漁業にはポテンシャルがあり、成長産業である」と申し上げてきました。日本の漁業は、もともと豊かな海に囲まれた環境で生まれた産業であり、魚を中心とした「魚食」、「和食」という文化を発展させてきました。我々は、こうした海や漁村の地域資源の価値や魅力をさらに活用・発信して、地域の賑わいや所得と雇用を生み出すことが期待される「海業(うみぎょう)」の振興などとともに、「浜の活力再生プラン」を推進して参ります。併せて、10周年を迎えたプライドフィッシュプロジェクトなどを通じて、国産水産物の消費拡大の一翼を担っていく所存です。
 今年は現行のJFグループ運動方針の取り組みの最終年です。引き続き、担い手育成、合併等組織再編、産地市場統合、販売事業改革などに取り組み、浜の構造改革を実現し、新たな運動方針の策定に繋げていくこととします。
 最後となりますが、漁業の豊かな将来を念じつつ、全国各地でご活躍の皆様の操業の安全とご繁栄・ご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

2024年1月
全国漁業協同組合連合会
                              代表理事会長 坂本雅信